宇宙船や古墳みたいなデザインも――新国立競技場はこの中から選ばれる


 
宇宙船や古墳みたいなデザインも 新国立競技場はこの中から選ばれる」(ねとらぼ、2012年10月31日)より(下記)。

 新国立競技場(東京都新宿区)の改築に伴い、「新国立競技場 国際デザイン・コンクール」の審査を行われており、応募作品46点の中から二次審査対象作品11点が公表された。この中から新しい国立競技場が選ばれる!
 新しい日本を作るためにシンボルが必要だ――。世界最高のパフォーマンスとキャパシティ、そしてホスピタリティを求めて“いちばん”のスタジアムを目指す。
 完成は2018年度。2020年のオリンピックとパラリンピックを東京に招致できた際はメインスタジアムとなる予定で、その前年には「ラグビーワールドカップ(RWC)2019」が新しいスタジアムで開催される。なお、審査の結果は11月中旬には発表するとしている。

Finalists announced for Japan’s New National Stadium」(ArchDaily、2012年10月30日)と、「どれにしますか?新国立競技場のデザイン候補が斬新!まとめ」(NAVERまとめ、2012年10月31日、みすたちる)も参照。あと、「国立競技場の改築デザイン、11点が最終審査へ」(サンスポ、2012年10月30日)も参照。少し引用すると、「日本スポーツ振興センターは30日、改築を目指す国立競技場(東京都新宿区)の国際デザイン・コンクールで国内外からの応募総数46点の1次審査結果を発表し、最終審査に11点が進んだ。2010年に建築界のノーベル賞といわれる米プリツカー賞を受賞した妹島和世さんが代表のグループやことしのベネチア・ビエンナーレ国際建築展で最優秀賞の金獅子賞に輝いた伊東豊雄氏の作品などが残った。建築家の安藤忠雄氏が委員長を務める審査委員会で11月7日に最終審査が行われ、最優秀賞などを決定する。同競技場は19年のラグビー・ワールドカップ(W杯)や東京都が招致する20年夏季五輪で主会場に予定されており、8万人収容で開閉式の屋根付きなどがデザインの条件だった。」との事です。

ネットでの反応は、「新国立競技場コンペ:ファイナリスト11点出揃う」 (トゥギャッター、2012年10月30日、makawakami)、「新国立競技場のデザイン、最終審査11点が決定」(ドメサカ板まとめブログ、2012年10月30日)等々を参照。ネットでは、「宇宙船」(作品番号17)と、「古墳」(作品番号26)の案が人気があるようです。

では、昨日、公表された「二次審査対象作品11点」です(下図)。

関連して、(僕の)別ブログの「Star House-2 (星型の家-2)」の記事を参照(アイルランドの「アビバ・スタジアム」、2010年、→写真、設計はPOPULOUS)。

まさに「宇宙船」です。関連して、「すごすぎて建築できない建築家【ザハ・ハディド】まとめ」(NAVERまとめ、2012年10月30日、みすたちる)を参照。あと、(僕の)別ブログの「ハイブリッド世界の本質」の記事の追記と、(僕の)別ブログの「アイコンに擬態」の記事を参照(ザハ・ハディド(Zaha Hadid)も参加した「Dance and Music Center in The Hague」の建築コンペについて)。

まさに「古墳」ですw。僕も、この案が一番いいと思います。その理由は、デザインが「分かりやすい」からです。関連して、本ブログの「青森のランドマークの三角形ビル「アスパム」に駄目出ししてみた」の記事を参照(「分かりやすい」デザインについて)。

関連して、本ブログの「シンガポールと日本の明暗を別けたもの」の記事を参照(「ベネチア・ビエンナーレの日本館」、設計は伊東豊雄、他)。

関連して、(僕の)別ブログの「Integral Project-2」の記事を参照(「「新建築1月号」にSANAAの「New Museum」(ニューヨーク)」)。

関連して、(僕の)別ブログの「Transit City (Integral Project-3)」の記事を参照(「上海から南東約40キロのところに建設中の「上海臨港新城」(Lingang New City、ドイツの建築事務所gmpが設計した、2020年竣工、計画人口80万人)」)。

関連して、(僕の)別ブログの「メモ-5」の記事(「放送大学「都市環境デザイン論」(主任講師:仙田満+佐藤滋)の第一回「都市再生と都市環境デザイン」」)と、(僕の)別ブログの「ハイブリッド世界の本質-2」の記事(「「新建築2010年4月号」の巻頭の「建築基本法から都市建築基本法へ」(仙田満)」)と、(僕の)別ブログの「闘うレヴィ=ストロース」の記事と、本ブログの「2020年の東京」の記事(「「新建築2009年11月号」の巻頭の「現代において集合住宅をつくる意味」(仙田満)」)を参照。

以上です。

ところで、上記の「二次審査対象作品11点」に、建築家のレム・コールハース(OMA)の作品が入っていない。

そのOMAに勤務している建築家の重松象平のツイッターによると、「最近よく訊かれるので>新国立競技場コンペにOMAは参加しません。個人的にはとても参加したかったので、いろいろ可能性を模索したんですが、資格はさておき、この条件ではうちには無理でした。こんな条件を国際コンペに付けるのは良くも悪くも日本だけだなー。残念。良い案が通るのを願うのみ。」、「資格も問題だけど(一応OMAは満たしている)、勝った後の知的所有権のほうがもっと問題なんです。質にこだわる事務所が、基本設計以降全く別の事務所が勝手に自分のコンセプトを仕上げてしまう可能性があるという条件を呑むだろうか。」(2012年9月10日)との事です。

うーん。これは、前に本ブログの「大阪維新の会の「船中八策」についてのメモ書き」の記事で書いたような、日本の「過剰コンプライアンス」問題の一つなのかも知れません。そもそも、今回の「デザイン・コンクール」は「応募作品46点」で、この「46点」というのは異常に少ない数字です。運営サイドは、「良い」デザインよりも「失敗しない」デザインを求めている、という事の表れではないかと思います。(「デザイン・コンクール」のメリットに関しては、ウィキペディアの「建築設計競技」の項を参照。)*1

ま、僕ならば、新しい国立競技場には「木造」建築を提案しています(おいおいw)。関連して、本ブログの「堺屋太一の「大阪10大名物」についてのメモ書き」の記事と、本ブログの「コンパクトシティは地球に優しくない、エネルギーの無駄遣い」の記事の補足を参照(「新しい建築はできるだけ「木造」で建てたほうが良い」)。いずれにせよ、今回の「デザイン・コンクール」は、「11月7日に最終審査が行われ、最優秀賞などを決定する」との事です。これは楽しみですね。ではまた(ドタバタ)。

(追記(2012/11/15)。本ブログの「東京に宇宙船が舞い降りる――新国立競技場」の記事参照。)

*1:これが公募?あきれてしまう新国立競技場デザイン応募資格まとめ」(NAVERまとめ、2012年10月31日、みすたちる)も参照。少し引用すると、「新聞一面つかって公募しておいて、応募資格がこれですか、、これじゃ有資格者が限られるんだから、直接メールすればいいじゃん!」(inalands)、「現在の競技場を補強、拡張して使うべきでは?50年で取り壊す理由があるのか?」(mitsuhiko_sato)、「たてまえ上のオープン感がむしろ不愉快。」(_happymountain_)、「これパパに挑戦させようと思ったら、応募資格厳しすぎでしょ。プリツカー賞、UIAゴールドメダルとか、SANAAレベルの人しか無理じゃん。もっと隠れた才能発掘しようよ。」(yuhkixx)、「新国立競技場のデザインコンペ。そのプロセスには、誰もが参加できるようにしたい、とありながら、応募資格を見たら・・・。何ですかこれは。」(okunoao)、「なにこれ。若い建築家なめるなよ。」(tonoyu)、「新国立競技場デザインコンペのサイト笑わせてくれる。「日本を変えたい、と思う。新しい日本をつくりたい、と思う」で始められていて、一瞬、野心的なコンペと見せかけて、応募資格の保守的なこと、保守的なことw 滅びた方がいい。支離滅裂もいいとこ。」(naohero)、「「祝祭」を謳うには、あまりに夢のない応募資格…コンペに新しい才能の発掘を期待する、そんな僕の感覚が古いんでしょうか。こういうやり方が、今の日本の閉塞感を生んでる気がするのだけれど。」(dtofuku)、「国立競技場コンペの応募資格何なんだこれがニッポンのミライ?…」(masuda3taka)、等々