環境理想都市――多心シナリオによるコンパクトシティ

 
(前回の「コンパクトシティは地球に優しくない、エネルギーの無駄遣い」の記事の追記。)

前回の記事で、「多心シナリオによるコンパクトシティ―長岡市の2050年の都市像とCO2排出量評価―」(日本建築学会 、2010年、和田夏子、大野秀敏、→PDF形式)を載せて、「この論文では、「市場シナリオ」(市場原理にまかせ、現状の都市計画の延長上にできる都市像)と、「単心シナリオ」(コンパクト化するシナリオ)と、「多心シナリオ」(ある程度広がっている現状の都市の骨格を肯定的にとらえ、現時点でポテンシャルの高い多数の中心をつないだ、ゆるやかなコンパクト化のシナリオ)の3つのシナリオを想定して、それぞれの移行時(建設時)と移行後(運用時)のCO2排出量を計算して、「目指すべきは多心シナリオである」と結論づけています。簡単に言えば、ほどほどが良いという事ですw。」と書いたのだけど、同じ論文の別の資料を載せておきます(下図)。「環境理想都市」(日本建築学低炭素社会特別調査委員会)の「研究の成果(2008-2010)」(→PDFファイル、P.3)より。カラーで分かりやすい。

低炭素社会の理想都市実現に向けた研究」(→PDFファイル、P.13)のも参照。ま、前回の記事で、「簡単に言えば、ほどほどが良いという事ですw。」とずいぶん簡単に書いたのだけど、この「ほどほど」を計算する(最適化する)事が、じつは一番大変なのだと思います(ワラ)w。地域の膨大なデータを収集して、コンピュータを駆使して、緻密な解析とシミュレーションをして、というプロセスを経る事になるのだと思います。ま、簡単に言えば、最近の本ブログの「2020年の東京」の記事で書いたように、「全国の都市を一律に「コンパクトシティ」に誘導するよりも、それぞれの都市がそれぞれの実情にあった解決策(都市政策)をつくるほうが良い」という事です。以上です。