医療と高齢化と中心市街地の再生――高松丸亀町商店街C街区

 
下図は「高松丸亀町商店街」のHPのこのページの画像です。とりあえず、メモのみ。

うーん。。

前回の「コンパクトシティの正しい答え――中心市街地の再生は諦めて、住宅地にする」の記事で、「第220回 コンパクトシティ時代における“中心市街地”の新たな役割〜中心志向から脱却し“住まう街”へ」(大和総研、2012年9月26日、鈴木文彦)から、「(前略)地方都市において業務、商業、医療の中心地が郊外に移転する理由はそれなりにある。高度・救急医療はインターチェンジ前にあったほうが確かに便利だ。それでも、かつての中心市街地は衰退し滅びるわけでなく、郊外を取り込み拡大した都市圏の一部分として生き残るだろう。住民の高齢化をきっかけとして、日常の移動手段として車を使わない人が一定数を超えて層となり、徒歩圏内で生活をまかなうライフスタイルの確立をみる。(後略)」の部分等を引用したのだけど、ふと、「高松丸亀町商店街」の「C街区」(上図のオレンジの部分)の事を思い出したので、メモだけしておく。

上記の「高松丸亀町商店街」に関しては、本ブログの「TPPの賛否」、「商店街はなぜ滅びるのか」の注釈3、「写真でみる田園都市レッチワースの移り変わり」の記事参照。

救急」搬送に関しては、本ブログの「電車内のベビーカー利用の賛否」の追記、「救急搬送の都道府県別所要時間の謎」、「【都会の歩行者へ】救急車が来たら道をあけましょう」、「東京(首都圏)は滅亡する―第1回」の記事参照。

医療」と「高齢化」に関しては、本ブログの「東京(首都圏)は滅亡する―第2回」、「松谷明彦著「人口減少時代の大都市経済」からの引用集(メモ)」、「亀田メディカルセンター院長・亀田信介氏「危ないのは首都圏!」(メモ)」、「返信(2012/9/24)」、「国民医療費、過去最高の37.4兆円」の記事参照(以上、日付順)。

(ついでに、「インターチェンジ前」に関しては、(僕の)別ブログの「アウトレットモール」の記事参照。)

最近、僕が別々に考えていた事――僕がこのブログで別々に書いてきた事――散らかっていた点――が「真直ぐな線」で結べた*1かも知れない(たぶんなw)。

【補足】

高松丸亀町商店街」について少し説明しておくと、「高松丸亀町商店街」は香川県高松市中心市街地の“ど真ん中”にあります。また、「高松丸亀町商店街」は高松城の築城(1590年)に起源を持つ、約400年の歴史を持つ、とても由緒ある商店街なのです。そして、時を経た21世紀の現在、この商店街を民間の「高松丸亀町まちづくり株式会社」が事業主体となって、劇的に大改造しているのです(!)。

高松丸亀町商店街」の「A街区」(高松丸亀町壱番街)は2006年に開業、「B街区」と「C街区」(弐番街と参番街)は2010年に開業、「G街区」(丸亀町グリーン*2)は2012年4月に開業しています。

(上図から分かるように)再開発の区域の全体の形状が、「面」ではなくて、「線」的なところが興味深い。19世紀のフランスのジョルジュ・オスマン県知事による「パリ改造」に似ています(ほんとか?w)。東京で例えると、「六本木ヒルズ」ではなくて、「表参道」なのだと思います。ま、「商店街」の再開発なのだから当然、とも言えるのだけどw、その「商店街」に他のいろいろな施設(屋上ガーデン、レストラン、アートギャラリー、大型書店、工房、立体駐車場、地下駐輪場、ホテル、マンション(都心居住)、高齢者向けマンション医療施設介護施設、等々)が“合体”しているのです。「商店街」の“超進化形”なのです。

あと、前回の記事に続いて、「第215回 ショッピングモールに学ぶまちづくり〜集客装置の整備は官民連携がカギ」(大和総研、2012年8月24日、鈴木文彦)を参照。少し引用すると、「(前略)商業中心街を今風にして郊外に再構築したものが大型ショッピングモールと考えることができるならば、利害関係を乗り越えた上で、ショッピングモールのような中心街を元々あった場所に作れないかという発想が出てこよう。(中略)商店街をショッピングモールに見立てるコンセプトだ。(中略)この考え方を突き詰めたところが「高松丸亀町商店街」だろう。」との事です。関連して、本ブログの「TPPの賛否」の記事参照(「高松丸亀町商店街」は、「既存の商店街を「ショッピングモール(のような場所)」に造り変えている」)。また、「高松丸亀町商店街(1)」(広島の街と音楽と…、2012年9月17日)のブログから少し引用すると、「(前略)再開発ビルを運営するのはまちづくり会社である「高松丸亀町まちづくり株式会社」。商店街をトータルで管理・運営しているので、商店街を一つのSCとみなして(イオンモールのように)、様々な戦略を打つことが出来る。」との事です。

最後に、「高松中央商店街 店舗立地動向調査結果」(高松市、2011年12月末調査、→PDFファイル)の「空き店舗率推移(商店街別全フロア)」(下図)を参照。「高松丸亀町商店街」(赤線)と高松市内の他の商店街の「空き店舗率」のグラフです。「高松丸亀町商店街」の「空き店舗率」は6.7%(2011年12月)です。順調に推移しているようですね。ちなみに、(ネットで)調べてみると、全国の商店街の「空き店舗率」の平均は10.8%(2009年)*3で、香川県の商店街の「空き店舗率」の平均は23.9%(2008年)*4との事です。補足は以上です。ではまた(ドタバタ)。

【追記】

高松中央商店街 店舗立地動向調査結果」(高松市、2012年6月末調査、→PDFファイル)があった(ははっ…)。この最新の調査によると、2012年6月の「高松丸亀町商店街」の「空き店舗率」は3.9%との事です。上図のグラフは、これよりも半年前のものです。しまった。でも、差し替えない(こらこらw)。追記は以上です。

*1:本ブログの「追記(2012/6/3)」の記事参照(Mr.Children、「光の射す方へ」(1999年)の歌詞、「(※要請により歌詞削除)」、→動画

*2:高松丸亀町商店街(2)」(広島の街と音楽と…、2012年9月20日)を参照(「丸亀町グリーン」)

*3:FAQ「小売商業対策について」」(中小企業庁)の「Q2:商店街における空き店舗の現状について教えて下さい。」を参照。少し引用すると、「平成21年度の商店街実態調査によると、商店街の空き店舗率は10.82%(中略)となっています。平成21年度商店街実態調査については、下記アドレス(→PDFファイル)をご参照ください。」

*4:商店街空き店舗率24%/08年県内5市平均」(四国新聞、2009年4月5日)を参照。少し引用すると、「2008年の香川県内主要商店街の空き店舗率が23.9%となり、1996年の11.9%から倍増していることが県のまとめで分かった。(中略)中心市街地の衰退・空洞化があらためて浮き彫りとなっている。(中略)県経営支援課は空き店舗が増加している要因として「郊外型大型店の進出や後継者不足」を挙げたうえで、「都市機能が郊外に拡散し消費者の生活習慣が変わったことも大きい」と分析している。」