8月のニュース-4

2011年8月の気になるニュースのメモランダム(備忘録)です。(前回の8月のニュース-1」、「8月のニュース-2」、「8月のニュース-3」の記事の続き。)

東日本大震災:福島の農地、復旧遠く…政府工程表
毎日新聞、2011年8月27日)
 政府の東日本大震災復興対策本部は26日まとめた復興の工程表で、津波被害に遭った岩手、宮城、福島3県の農地を3年以内で復旧させる目標を掲げた。しかし、福島第1原発事故の影響も被った福島県の農地は大半が復旧のめどが立たないため、目標に含まれておらず、かえって事態の深刻さが浮き彫りになった形だ。(後略)

土壌汚染、34地点がチェルノブイリ移住基準超
(読売新聞、2011年8月30日)
 東京電力福島第一原子力発電所事故で拡散した放射性物質による土壌汚染の状態を調べた地図がまとまり、29日に開かれた文部科学省の検討会で報告された。
 立ち入りが制限されている警戒区域計画的避難区域で、チェルノブイリ原発事故での強制移住基準(中略)を超える汚染濃度が測定されたのは、6市町村34地点に上った。(後略)

首相「中間貯蔵施設を福島に」=汚染廃棄物、知事に要請
時事通信、2011年8月27日)
 菅直人首相は27日午後、福島県庁で佐藤雄平福島県知事と会談し、東京電力福島第1原発事故放射性物質に汚染された土壌やがれきなどの廃棄物を一時的に保管する「中間貯蔵施設」を福島県内に設置したいとの意向を伝えた。首相は「最終処分地とは考えていない」と強調して協力を求めたが、佐藤知事は「突然のことで困惑している」として、回答を留保した。(後略)

東日本大震災:福島第1原発事故 帰郷困難、20年超も−−政府試算
毎日新聞、2011年8月28日)
 政府は27日、福島市内で開かれた「福島復興再生協議会」で、年間被ばく線量が200ミリシーベルトと推定される地点では、除染しない場合、帰宅可能な水準(年20ミリシーベルト以下)まで線量が下がるには20年以上かかる可能性があるとの試算結果を示した。(後略)

廃棄物中間貯蔵施設「お台場にでも」 福島商工会会頭
asahi.com、2011年8月30日)
 全国地方銀行協会元会長で福島商工会議所会頭の瀬谷俊雄・東邦銀行相談役は30日、同会議所の定例記者懇談会で、放射性物質を含む廃棄物の中間貯蔵施設について「(原子力発電の)受益者は東京だ。東京のお台場にでも造ったらどうか」と述べた。(後略)

うーん、東京都民は、これ(上記)に賛成するだろうか、反対するだろうか。

環境省、福島支所を新設へ…来年1月活動開始
(読売新聞、2011年8月28日)
 環境省は、福島県に「東北地方環境事務所福島支所」を新設する方針を固めた。
 福島第一原子力発電所事故で立ち入りが制限されている警戒区域計画的避難区域内で、放射性物質に汚染されたがれきの撤去や除染作業を行うための現地事務所となる。(中略)「放射性物質環境汚染対処特別措置法」が26日に成立し、国は責任を持って放射性物質に汚染された廃棄物や土壌を処理しなくてはならない。今後、特に汚染が激しい地域については、環境相が指定し、処理計画を作っていく。(後略)

東日本大震災:福島県最大の避難所「ビッグパレット」閉鎖
毎日新聞、2011年8月31日)
 最も多い時で約2500人が身を寄せ、福島県最大の避難所になった複合施設「ビッグパレットふくしま」(郡山市)も31日午後5時に避難所としての役目を終え、閉鎖される。
(中略)最後まで残った被災者44人は、仮設住宅や民間の借り上げ住宅などに入居する。福島県によると、同県内では体育館や公共施設などの1次避難所に最大時(3月16日)7万3608人が入居していた。

「ピロティ住宅」津波に耐えた 1階は柱、波の力受けず
asahi.com、2011年8月29日)
 東日本大震災津波で多くの建物が流失した中、1階部分が柱のみの「ピロティ式」の建物は津波に強かったことが、日本建築学会東北支部長の田中礼治・東北工業大学教授らの調査で分かった。建物の構造によって津波から身を守れるのでは、と期待されている。 (後略)

上記のニュースに関しては、(僕の)別ブログの「情報化を経ることで新しい発動を見せるのだ」の記事参照(「津波に強かった「1階吹き通し」再使用できるケース多く 建築学会報告」(産経ニュース、2011年4月23日))。

首都圏直下、プレート境界型地震起きやすく
(読売新聞、2011年8月28日)
 東日本大震災後に首都圏の地下のプレート(岩板)にかかる力が変化し、複数の震源域が連動して巨大化する場合もある「プレート境界型」の地震が起きやすくなっていることが、東京大地震研究所の分析でわかった。
 同研究所は今後も観測を継続し、大地震が引き起こされる可能性についての評価を進める方針。(後略)

上記のニュースに関しては、前回の「8月のニュース-1」の記事参照。

首都圏の乗降客数上位200駅で「成長性が高い駅商圏ランキング」トップ5 〜 首都圏の「元気な街」は、東高西低だった 〜
(@Press、2011年8月30日)

≪成長性が高い駅商圏≫
夜間人口増加では:No.1人形町、No.2八丁堀、No.3馬喰横山、No.4月島、No.5錦糸町
昼間人口増加では:No.1汐留、No.2浜松町、No.3大門、No.4新橋、No.5三越前
商業人口増加では:No.1大手町、No.2東京、No.3有楽町、No.4銀座、No.5日比谷

いずれも東高西低の結果が表れました。(後略)

上記のニュースに関しても、前回の「8月のニュース-1」の記事参照。

関西への人口流入超、5カ月連続 震災で業務分散 1970年以来
日本経済新聞、2011年8月30日)
 東日本大震災をきっかけに関西への人口流入が続いている。総務省住民基本台帳の人口移動報告によると、大阪、京都、兵庫、奈良の4府県(大阪圏)の7月の転入者数は1万3870人と転出者を764人上回り、5カ月連続で転入超過となった。転入超が5カ月以上続くのは大阪で万国博覧会が開かれた1970年以来、41年ぶり。(後略)

震災で大阪圏5カ月連続で転入超 本社機能の分散も
(47NEWS、2011年8月30日)
 総務省が30日までにまとめた住民基本台帳に基づく7月の人口移動報告によると、大阪圏(京都、大阪、兵庫、奈良)への転入者数(1万3870人)から転出者数を差し引いた転入超過数は764人で、東日本大震災が発生した3月から5カ月連続で転入超過となった。
 大阪圏が5カ月以上続いて転入超過となったのは、高度成長期で人口流入が続いた1970年7月までの23カ月連続以来。今年2月まで大阪圏は転出超過が10カ月続いており、総務省は「震災の影響で、企業が本社機能の一部を関西に分散していることなども一因と考えられる」としている。

上記のニュースに関しては、前回の「8月のニュース-2」の記事参照。「世界一住みやすい都市はバンクーバー、大阪12位=調査」(ロイター、2011年2月21日)も参照。


好調! 大丸梅田店 増床後4カ月の売上高 前年比75%増
(産経ニュース、2011年8月26日)
 大丸梅田店大阪市北区)で増床・改装後約4カ月間(4月19日〜8月19日)の売上高が前年同期比で75%増えたことが、26日わかった。(中略)東急ハンズポケモンセンターなど多彩な外部テナントを誘致したことが功を奏した。来店者層も20〜30歳代の女性を中心に、家族連れなどにも広がっている。
(中略)このペースで推移すると、年間来店者数で阪神百貨店梅田本店大阪市北区)が23年3月期に記録した4560万人を抜き、大阪市内の百貨店でトップに立つ可能性がある。

上記のニュースに関しては、(僕の)別ブログの「ハイブリッド世界の本質-2」注釈10の記事参照(「外国人からの注目度が高かった意外な日本の観光名所ランキングトップ20」(GIGAZINE、2009年4月9日)によると、3位は「ポケモンセンター東京」)。

Detroit: Urban Renewal and the Great Recession
(ArchDaily、2011年8月30日)
(前略) The city that most clearly needs an influx of new ideas and new money to help renew and redevelop is Detroit. After reaping the benefits of the automobile boom in the 1950’s and 60’s, the city has recently become the prime example of urban blight and neglect. But this also means that Detroit has many potential areas for ambitious urban renewal projects, projects that provide hope to the city’s residents.
(中略) Most important of all, urban renewal gives cities like Detroit hope that things can change for the better. That even though they are in the midst of tough economic times, new projects are being proposed that show just how much people are invested in their city.

上記のニュースの「Detroit」(デトロイト)に関しては、前々回の「アイコンの消失」注釈3の記事参照(「デトロイトの廃墟ガチ異常」(ハムスター速報、2011年1月23日))。
上記のニュースに書かれている現在建設中の都市再生プロジェクトの「HafenCity」(ハーフェンシティ、ハンブルク)に関しては、(僕の)別ブログの「雑記4」の記事参照。
あと、上記のニュースで過去の都市再生プロジェクトの「成功例」として書かれている「Pittsburgh」(ピッツバーグ)に関しては、えーと、そのうち書きます。確かジェイン・ジェイコブズ著「都市の原理」(2011年、新装版)に「ピッツバーグ」に関する記述がある。(ついでに、同書には「デトロイト」に関する記述もある。「東京」に関する記述もある。ジェイン・ジェイコブズ古今東西の「都市」を論じている。)

あと、「The Key to South Korea’s Future Growth」(ArchDaily、2011年8月28日)も参照。そのニュースに書かれている新都市「Songdo」(松島新都市仁川広域市)に関しては、(僕の)別ブログの「Integral Project-3」の記事参照(→動画)。

8月のニュース-5」に続く。