選挙はもういい、次は紅白だ、NHK紅白歌合戦が日本を変える――初音ミクに「千本桜」と「マトリョシカ」を歌わせろ

 
衆院選が終わった。自民党の圧勝に終わった。自民党は「国土強靱化200兆円計画」という常軌を逸した政策を公約に掲げて480議席中296議席も獲得した。そして早速、きた。「自民・二階氏、貫禄&笑顔の10選 和歌山3区」(産経新聞、2012年12月17日)の記事によると、「厚い支持基盤に支えられた二階俊博氏が10選を果たした。(中略)自民党の「国土強靱化総合調査会」の会長を務め、(中略)街頭演説などでは災害に強い国土づくりの必要性を強調し、(中略)二階氏は「郷土の期待に応え、悲願である高速道路の半島一周を実現する」と力強く抱負を語った。」との事だ。果たして紀伊半島を一周する高速道路が、今の日本に本当に必要なのだろうか。累積する日本の借金がますます累積するだけではないだろうか。言うまでもないけど、この累積する借金を返済するのは、現在の高齢者ではなく若者世代以降である。でも、これが国民の下した選択だ。自民党は白昼堂々と「国土強靱化200兆円計画」を公約に掲げて国民の審判を受けて、そして圧勝したのだ。もう誰にも止められない。

でも、選挙は社会の「飾り」である、選挙は「民主主義が正常に機能している」と見せかけるための儀式にすぎない、と冷ややかにみる事もできる。そもそも一人一票という、人間を極度に抽象化して、人間を物理的な数に還元させられる事を強いている選挙という制度は全くもって野蛮である。投票する行為には屈辱感が伴う。投票箱は牢獄だ。投票とは自分の分身(紙切れ)が収監させられるという行為なのだ。選挙はもういい。選挙とは異なる方法で私たちは民意を形づくらなければならない。とくに少子高齢化社会にある今の日本で、選挙制度が機能不全に陥るのは「世代間格差」の問題に対してである。多数決に基づいている選挙とは、人口の多い世代(高齢世代)が人口の少ない世代(若者世代)を虐げる制度である。前述の累積する借金の返済の問題の他に、例えば社会保障の給付と負担の「世代間格差」の問題も選挙制度では解決不能である。では、どうすればいいのか。

そこで、表題に書いたように、僕は今年の第63回NHK紅白歌合戦で、ボーカロイド初音ミクに「千本桜」と「マトリョシカ」を歌わせる事を提案する。紅白の出場歌手はすでに決まっているけど、サプライズで初音ミクに歌わせればいい。また、初音ミクさんは仕事を選ばないし、他の仕事とスケジュールがぶつかっていても難なくこなしてくれるに違いない。

上図は今年の「JOYSOUND」の年間カラオケランキングの集計結果(集計期間:2012/1/1〜2012/11/30)である。見ての通り、年間カラオケランキングで初音ミクの「千本桜」が第1位、初音ミクの「マトリョシカ」が第4位にランクインしている。これほどたくさんの人々に歌われ親しまれている曲を紅白で歌わないほうがむしろ不自然である。また、なぜ紅白なのかと言えば、そこには紅白でなければならない決定的な理由がある。それは紅白が「高齢者も見る」番組であるからだ。紅白は高齢世代が若者世代への関心を向ける絶好のチャンスなのだ。

もちろん、紅白で初音ミクに歌わせるだけで、前述の「世代間格差」の問題が解決するとは全く思っていない。はっきり言って、些細な余興でしかないだろう。でも、たとえ些細な余興であるとしても、世代間の交流を促す試みは矢継ぎ早に行われるべきである。選挙という人間を極度に抽象化した近代の制度では人口の多い世代が有利になるだけである。またはその反対のムラ社会的な濃密な人間関係は大都市化が進んだ現代では容易につくり出せるものではない。よって、第三の可能性を追求しなければならないのだ。そのきっかけの一つとして、今年の紅白で初音ミクに「千本桜」と「マトリョシカ」を歌わせる事を提案する。以上。

以下、YouTube動画をいくつか載せておく。

まず最初に、「千本桜」と「マトリョシカ」の公式PVです。

あと、ついでに前者の「千本桜」のその他いろいろの動画も載せておく。

「踊ってみた」(男性)

「踊ってみた」(女性)

「大合唱」

「弾いてみた」

「英語で歌ってみた」

以上。後者の「マトリョシカ」にも、「踊ってみた」、「大合唱」、「弾いてみた」、「英語で歌ってみた」はあるので、興味がある方は是非、検索してみて下さい。

ではまた。

(今回のこの記事は、前に僕が書いた「追記(2012/6/3)」の記事の一部を再編したものです。)