「スーパー・メガ地域」への道

 
(前回の「【車載動画】太平洋ベルト地帯(東海道メガロポリス)」の記事の補足。)

前回の記事で、「メガ地域」という用語を載せているのだけど、えーと、都市経済学者のリチャード・フロリダの著書「クリエイティブ都市論――創造性は居心地のよい場所を求める」(2009年)の第1部「メガ地域の世紀」からざっくばらんに引用(メモ)すると、「メガ地域は、世界全体で四〇におよぶ。メガ地域はその国の経済エンジンであるばかりか、グローバル経済の実質的な立役者なのだ。」(P.32)、「メガ地域の人口は五〇〇万人から一億人規模で、経済生産は数千億ドル、時には数兆ドルにものぼる。そこでは人々の創造性が最大限に活用され、世界的な科学業績やイノベーションの大部分を生み出している」(P.50)、「メガ地域とは単なる都市の拡大版ではない。都市は個々の近隣地区から成り立っており、大都会は都心と郊外地域によって形成されてきた。だがメガ地域は都市自体が成長して密度を高め、やがて外へ向かって拡大し、他の都市と合体して生まれたのものだ。これは自然発生的に生まれた新しい経済単位である。」(P.50)、「日本には四つのメガ地域があり、そのうちの二つは世界最大級の規模を誇る。(中略)日本の場合、メガ地域の境界線がはっきりしなくなってきている。世界初の統合された「スーパー・メガ地域」への道を歩み始めているのかもしれない。すなわち地理的に重なり合い、(中略)巨大な単一経済圏が構成されつつあるのだ。」(P.68)との事です。うーん、非常にどうでもいい事なのだけど、「ざっくばらん」とは、そういう意味ではないらしい(あれ?w)。ま、いいかw。では、世界の「メガ地域」の図です(下図)。これと同じ図が、この本(「クリエイティブ都市論」)にも載っています。

ウィキペディアの「ボスウォッシュ」の項を参照。)

以上です。

ついでに、前に書いた、本ブログの「リチャード・フロリダ「都市の高密度化の限界」を翻訳してみた」の記事で、同じ本(「クリエイティブ都市論」)の第4章「集積の力」の「都市はどこまで大きくなれるか」の節から、「単にビルが高層化したり人口が増えたりすることで、既存のメガ地域(メガロポリス)が成長する可能性はそれほど高くない。」(P.90)の部分を引用しているのだけど、じつは、これには続きがあってw、再び引用すると、「単にビルが高層化したり人口が増えたりすることで、既存のメガ地域(メガロポリス)が成長する可能性はそれほど高くない。そのことは私たちのモデルが示している。メガ地域が拡大するのは、二つ以上の地域が合体して、スーパー・メガ地域が形成される場合だ。」(P.90)との事です。関連して、リチャード・フロリダが「The Atlantic」に寄稿した記事の「Airports and the Wealth of Cities」(2012年5月23日)と、「The Surprising Math Behind Airports and City Size」(2012年5月25日)を参照。この記事については、そのうち詳しく書きます(ほんとか?w)。ま、要するに、21世紀はグローバル(→下の動画)だという事です(おいおいw)。ではまた。

(追記。一応、補足すると、上記の動画は、「ISS」(International Space Station国際宇宙ステーション)からの【車載動画】です、という意味です。前回の「【車載動画】太平洋ベルト地帯(東海道メガロポリス)」の記事に載せた【車載動画】の延長線にある、という意味です。また、上記の動画で、地上が明るく光っている地域が、ほぼイコールで「メガ地域」です。人々が高密度で集住していて経済活動が盛んな地域が光っているのです。それが宇宙からも見えるのです。〜という話も、リチャード・フロリダは上記の本(「クリエイティブ都市論」)で書いています。ついでに、上記の「Airports and the Wealth of Cities」(2012年5月23日)から少し引用すると、「Airports」(空港)は、「(前略)shape business location and urban development in the 21st century as much as highways did in the 20th century, railroads in the 19th and seaports in the 18th.」との事です。)